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キュゥべえは本当に悪なのか?『魔法少女まどか☆マギカ』の善悪を考える

アニメ情報

制作決定の発表から早5年、その後も数回の公開延期を経て、前作から約13年ぶりの新作「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」が現在上映されている。待ちに待ったこの作品を観る前にこれまでのまどマギを見返してキュゥべえについて考察してみた。

※この記事には『魔法少女まどか☆マギカ』の重大なネタバレが含まれます。

『魔法少女まどか☆マギカ』を見た人に「一番嫌いなキャラクターは?」と聞いたら、かなり多くの人がキュゥべえを挙げるのではないだろうか。

かわいらしい見た目をしているにもかかわらず、魔法少女たちに過酷な運命を背負わせている。

願いを叶える代わりに魔法少女として戦わせ、やがて魔女になることまで仕組みの一部として利用している。

どう考えても悪役に見える。

しかし、物語を改めて考えてみると、「キュゥべえは本当に悪なのか?」という疑問が出てくる。

キュゥべえには人間的な「悪意」がない

キュゥべえの怖さは、単純に性格が悪いところではない。

むしろ、人間とはまったく違う価値観で動いているところにある。

キュゥべえたちは宇宙全体のエネルギー収支を維持するために、魔法少女の希望と絶望からエネルギーを得ている。

彼らにとっては、それが必要なことなのだろう。

だから魔法少女が苦しんでも、「かわいそうだからやめよう」とは考えない。

人間からすれば残酷でも、キュゥべえにとっては合理的なシステムなのだ。

「騙している」のに、嘘はついていない

キュゥべえのさらに恐ろしいところは、意外にも露骨な嘘をついているわけではないことだ。

魔法少女になれば願いが叶う。

魔法少女には使命がある。

ソウルジェムが重要になる。

こうした情報を完全に隠しているわけではない。

ただし、少女たちが本当に知りたい情報を最初からすべて説明しているわけでもない。

これは現実でもあり得ることだと思う。

「嘘はついていないけれど、重要なことを説明していない」。

そう考えると、キュゥべえのやり方は非常に巧妙だ。

人間とキュゥべえでは「理解できる感情」が違う

キュゥべえには、人間の感情を完全には理解できない。

だから、魔法少女が絶望していくことに対しても、人間と同じような感覚を持っていない。

ここが作品の面白いところだ。

キュゥべえからすると合理的なシステム。

人間からすると、とても残酷なシステム。

どちらの視点に立つかによって、同じ出来事の意味が変わる。

それでもキュゥべえを許せるか?

とはいえ、「悪意がないから許される」とも思えない。

本人に悪意がなくても、他者を利用して苦しませているなら、その行動に問題があると考えることはできる。

現実でも、「悪気はなかった」という言葉だけで相手を傷つけた事実が消えるわけではない。

だから私は、キュゥべえを「完全な悪」とするより、

人間の倫理観が通用しない存在

として見るのが一番しっくりくる。

まとめ

キュゥべえは本当に悪なのか。

人間の価値観から見れば、かなり悪質な存在に見える。

しかし、キュゥべえ自身は人間を苦しめることを楽しんでいるわけではない。

ただ、自分たちの目的のために合理的な行動をしている。

だからこそ怖い。

『まどマギ』はキュゥべえを単純な悪役にするのではなく、「価値観が違う存在と人間が関わったらどうなるのか」というところまで描いている。

キュゥべえを知れば知るほど、この作品が単なる魔法少女アニメではないことが分かってくる。

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