『魔法少女まどか☆マギカ』を最後まで見たあと、改めて物語を振り返ると、特に気になるのが暁美ほむらというキャラクターです。
物語の序盤では、ほむらはまどかに対してどこか冷たい態度を取っています。「あなたは魔法少女になるべきではない」と繰り返し伝え、まどかがキュゥべえと契約することを強く警戒しています。
初めて見たときには、ほむらがなぜそこまでまどかを気にしているのか分かりません。
しかし、物語が進むにつれて、その理由が少しずつ明らかになります。
ほむらは、まどかを救うために何度も同じ時間を繰り返していたのです。
最初のほむらは、今とは違う人物だった
現在のほむらからは想像しにくいですが、最初の時間軸にいた彼女は、今ほど強くありませんでした。
むしろ、自分に自信を持てない普通の少女として描かれています。
そんな彼女にとって、まどかは大切な友人でした。
しかし、まどかが魔法少女として戦い、命を落としてしまったことをきっかけに、ほむらは「まどかを助けたい」と強く願うようになります。
そして時間を巻き戻す力を手に入れ、過去へ戻ります。
ここから、ほむらの長い戦いが始まります。
「まどかを救う」という目的が変化していく
最初のほむらの願いは、とても純粋だったのではないでしょうか。
大切な友達を死なせたくない。
もう一度やり直して、今度こそまどかを助けたい。
この気持ちは、決して理解できないものではありません。
しかし、何度時間を繰り返しても、簡単には結果を変えられません。
むしろ、まどかを救おうとするほど、状況が悪化していくようにも見えます。
その過程で、ほむらは一人で多くのことを抱えるようになります。
最初は「まどかを守るため」だった行動が、いつの間にか「何が何でもまどかを救わなければならない」という強い執着に変わっていったようにも感じられます。
ここが、ほむらというキャラクターの非常に興味深いところです。
ほむらの行動は「愛」なのか「執着」なのか
ほむらのまどかに対する感情を考えると、「愛」という言葉だけでは少し足りないように思います。
もちろん、まどかを大切に思っていることは間違いありません。
しかし、それだけでは説明できないほど、ほむらはまどかにこだわっています。
何度失敗しても諦めず、何度傷ついても時間を巻き戻す。
普通なら「もう無理なのではないか」と考えてしまうところでも、ほむらは戦い続けます。
だからこそ、私はほむらの感情には「愛」と同時に「執着」も含まれているのではないかと思います。
大切な人を守りたいという気持ちは、最初は純粋なものだったとしても、長い時間をかけて繰り返すうちに、その人のためなら何をしてもいいという考え方に変わってしまう可能性があります。
ほむらは、その危うさを象徴しているキャラクターなのかもしれません。
まどかを救うことは、ほむら自身を救うことでもあったのではないか
もう一つ考えたいのが、「ほむらは本当にまどかだけを救いたかったのか」ということです。
まどかを失ってしまった最初の時間軸に戻ることは、ほむら自身にとっても「失敗した過去をやり直す」という意味を持っています。
つまり、まどかを救うことは、同時に「あのとき何もできなかった自分」を救うことでもあったのではないでしょうか。
何度も時間を繰り返したことで、ほむらは非常に強くなりました。
一方で、最初の頃に持っていた普通の少女らしさや、他人を頼ることは少なくなっていきます。
強くなった代わりに、一人で抱え込むようになった。
そう考えると、ほむらの物語は単純な「親友を救うための戦い」ではなく、一人の少女が大切な人を失ったことで、その喪失を受け入れられなくなっていく物語として見ることもできます。
何度見てもほむらの印象が変わる理由
『魔法少女まどか☆マギカ』は、一度最後まで見てからもう一度見ることで、ほむらの言動が全く違って見えてきます。
序盤の「まどかは魔法少女になるべきではない」という言葉も、初見では不思議な発言に感じます。
しかし結末を知ってから見ると、その一言にほむらが背負ってきたものの重さを感じることができます。
ほむらは最初から冷たい人だったわけではありません。
まどかを救いたいという気持ちが強すぎた結果、現在のほむらになったとも考えられます。
だからこそ、ほむらを単純に「まどかを守る頼れるキャラクター」として見るだけではなく、「大切な人を失いたくないという気持ちが、人をどこまで変えてしまうのか」という視点から見ると、さらに興味深いキャラクターになります。
『まどか☆マギカ』を見返すときには、ぜひ物語の結末を知った状態で、序盤のほむらの言動にも注目してみてください。
初めて見たときには理解できなかった彼女の言葉が、二度目には全く違う意味に感じられるかもしれません。



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